虫の心4

黄金虫は金持ちだ。で有名なコガネムシですが、特に印象深かったり、すごく好きだったり嫌いだったりもしない、凡庸な印象が強い虫だと思います。しかし、この虫が本当に厄介者で、成虫は葉を食べる、実を食べる、そして土中に産んだ卵が孵ると、幼虫は根を食べる。人に作物と呼ばれる植物であるところの野菜にとって、これほどの難敵はなかなかいないわけであります。なので、家庭菜園を始めて一年半になる私は、何処であろうとコガネムシを見かけると、反射的に叩き潰そうとするようになってしまったのですが、間違ってカナブンなんか叩き潰した日には、ちょっと罪悪感感じたりなんかして。まあ所詮虫けらですけどね。

 

そうなのです。所詮虫けら、と思われることが多い虫一般。ケラはかっこ良くて好きなので、虫けらという言い方はどうかと思うところもありますが、まあ、それはいいとして、所詮虫なので、心の無い下等動物なので、本能のみに生きる下劣な生き物なので、とまで思われてるかは分かりませんが、ちょっと気持ち悪い、という理由だけで大殺戮が許されるような存在であるところの虫なので、心はありません。心なんて人が作ったものなので、虫にあるわけがない。当然です。でも、心なぞ無くても、立派に生きてる虫たち。美しい。迷える子羊であるところの人間も、そんな風に生きて行けるのでしょうか。

 

虫の心マスターの私は知っています。そんな事は出来ないという事を。何故ならば。ああ、何故ならば。それは、人は虫ではないから。がーん!!そして、虫の心を使いすぎると、人にとっては良くないと思われるような弊害がある事も、最近の研究で分かってきました。さあ、それは一体何なのでしょう。(5へ続く)