虫の心2

なるべく感情の起伏を作らないように暮らしてるので、たまに怒ると、慣れてないことをした自分について行けず、心身ともにダメージを負ってしまうことが多い。今日、子連れで多目的トイレが開くのを待っていたのだけど全く開かず、後ろにベビーカー押してるママさんも並んでいるのに、待てど暮らせど状況が変わらないので、かなり怒気をこめてノックしたら、ガサゴソと音がして、本を抱えた若い男がそそくさと出てきた。てめえ!と思ったけど、声には出さずにいたのに、一言もなく素通りしようとしたので、たがが外れてしまった。ちょっと待てこら!!と怒鳴った後の事は、よく覚えていない。一言謝らせて二人で多目的トイレに入ったのだけど、気持ちが昂りすぎて子供の顔も見れず、ずっと地面を見つめたままトイレの世話をしていた。出る時も、並んでたママさんの顔も見れなかった。たったこんな程度の事で、前後不覚になる位私は怒ってしまう。本来そういう人間です。

 

自分へのダメージが大きすぎるので、怒らないように気を使っている。ブルンブルン振り回した刃が、自分にもザクザク返りまくるのです。でもそれって、別に私に限った話ではなくて、誰でもそうなんだと思う。自分が怒ることに慣れる人なんていないよ。パンクロックは大好きだけど、パンクロッカーになれないのは、ずっと怒り続けるなんて無理だと感じてしまうのが大きい。だから、怒り続けることが出来る人、勝てない喧嘩をガンガン仕掛けていく人、そういう人たちには到底敵わないと、心の底でいつも思っている。虫の心の底で。(3へ続く)