春子の健康

私の職場に、藤本徹さんという青年がかつて居りまして、何年間か一緒に働いておりました。でも、部署というか、作業場所が違うせいもあって、言葉を交わすような事もあまり無かったのですが、マジキックのイベントが武蔵小金井であった時。あれ何年前だ。ひょっとして、10年くらい経つのかなあ。偶然、そこで顔を合わせました。おお!何で君が!いやいや、山崎さんこそ何で!みたいな縁から、ちょいちょい言葉を交わすようになりまして、バンドのライブにも来てくれたり。その後彼は職場を離れ、他の職に就いたという話を耳にした頃、彼が出版したという詩集が職場の中で出回ってました。詩集を出版!!そういえば、詩を書いてるって言ってた!!と、思い出しながらびっくりしながら、同僚に貸してもらって読んだところ、春子の健康という詩のタイトルに目が留まりました。春子の健康。何じゃそりゃ。

 

彼の詩は、女性の目線で書かれているものが結構ありまして、その一編もそうなのですが、色々細かくこだわったり、ちょっと自分を蔑ろにしてみたり、毒づいてみたり、本当にいそうな女性で、何かいいのです。男性が歌う女性目線の名曲も多々ありますが、そんな曲みたいに、この詩に歌をつけられないだろうか、と思いました。

 

彼にその願いを申し出たところ快諾していただき、できたのが「春子の健康」です。本当に良いタイトル。最初は激ジャンクなパンクナンバーだったのですが、エレピの音にはまった時期がありまして、ローズの音メインで作り直していったら、自分史上最高にシャレオツなナンバーになりました。てれくさくて、ジャンクなコーラス入れてみたり。そんなことしなくても、私が歌うとジャンクだという気もしますが。

 

藤本くんは昨年、『あまいへだたり』という新しい詩集を出しました。そちらも是非、よろしくお願いします!

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