夏の計画

夏の間に子供を連れて北海道に里帰りするのだけど、オトナ帝国の逆襲の回想シーンみたいな記憶の連鎖を娘に一つでも刷り込んでやりたい、と思って私の中に刷り込まれた親子の記憶を紐解いてみるに、思い浮かぶのはひろしやしんのすけと一緒で、虫や魚を取りに行った記憶が多い。

札幌はかなりな都会だと思うけど、ちょっと郊外へ行くとすぐに田舎な感じになるのが良いところでもあって、耕作放棄地と廃墟と養鶏場と解体自動車屋が点在するような場所まで、市街からほんの2,30分で行けてしまう。私にとってはたぶん、そんな風景が郷愁を感じる場所で、茨戸川沿いの朽ち果てたデカいプールの横で、一日中釣りをしてたけど魚は全然釣れなかったので、一人で廃墟を探検して遊んでた、みたいなのが良い思い出。

キリギリスとかクワガタとか、虫をとるのはいつも突拍子が無く、雑木林や雑草だらけの空き地沿いに車を走らせ、急に止まったかと思ったらぐいぐい林の中に入って行き、狙いを定めた木の幹に父がガンガン蹴りを入れると、クワガタが落ちて来る。それをいとこや友達と一緒に捕まえるのだけど、そんな時の父親はヒーローに見えた。

娘にもそんな記憶を刷り込みたいと思うのだけど、やっぱり私が男子だからそんな思い出が貴重になってるだけで、娘にとっては全然楽しくないかもしれないし、何よりそんな場所はもう無いのかもしれない。40年前だもんなあ。