大道芸

凧あげがしたい、と言う娘を連れて、季節外れな買い物に出かけた今日。調布のビックカメラの前、昔の駅舎があったあたりですかね。大道芸をやっていました。足を止めて、興味津々な娘と一緒に見てると、これがジャグリングやコマ廻し等の割とよく見るタイプの大道芸なのですが、レベルが凄いし、喋りもうまいし、札幌から来たって言うし、引き込まれて最後まで見入ってしまった。この青年、かなり若いなあ、と思いつつ見てたんだけど、12年練習してます、5歳のときからやってます、と、芸をしながら小出しに自分語りをしていく。ええ~!じゃあ、17歳じゃねえか!まじか。と思ったら、何かすごく感動して、うるうるしてしまった。スポーツ選手にしたって、ミュージシャンにしたって、早熟の天才みたいな人はたくさんいるんだろうけど、目の前で芸を見せながらそんな事を語られたら、感動するしかないじゃないですか。それも含めて芸なんだろうけど、芸達者すぎる。すばらしい。

そして、最後に不安定な高所でバランスを取りながら、剣を三本使ってジャグリングをしたのだけど、それはそれは本当にすさまじい芸でしたが、それよりも凄いと思ったのが、その前に彼が語った言葉でした。この後、僕はみなさんからお金を頂くために、この箱を持ってみなさんの目の前を回ります。それは賽銭箱ではありません。なので、ジャラジャラと硬貨を入れないでください。そこには、お札を入れてください。そして、それは一枚ではなく、二枚入れてください。僕は僕の芸にそれだけの価値があると考えています。みなさんも、その言葉に納得して頂けるなら、そうしてください。もちろん強制ではありません。そう思わない方、生活の苦しい方、そうして頂かなくて結構です。でも、僕は、そのお金で暮らしています。その事を少しでいいので考えてください。そんな事を芸の準備をしながら語った後、彼は見事に芸をやりとげたのでした。すばらしい。ここまで言い切って、ちゃっちゃとやっちゃう。本物の芸人だ。と私は思った。自分と比べるのもおこがましい。そんな人が、17歳だなんて。どれだけの時間を芸に捧げてるのか。何てこった。2000円くらい払いますよ。払ったりますよ!と思って札を2枚放り込んで来ました。そして、そうかあ…2000円かあ…と今また思い出しています…私の器は盃くらいのものですな。はっはっは。