あの世でダンス

多摩動物園の昆虫館には、蝶がオールシーズン飛んでるエリアがあるのですが、久しぶりに行ってみたい、と思い立って子供を連れて行ってみました。緊急事態宣言が明けた頃にも、行ってみようと思ったことがあったのですが、その時は昆虫館はまだクローズされたままだった。どんなに嵐の日でも、寒い日でも、春うららな気候を再現するために空調を効かせた昆虫館は閉鎖された空間である、という事だからだろうか、とその時は理解したのだけど、今日はやっていました。でも人出は少なかった。

色とりどりの蝶がこれでもかとばかりに飛びまわっていて、光にあふれて暖かい。そんな空間のあの世感たるや凄かった。そういう場所を天国とかと結び付けてしまう発想は、何によって植え付けられたのでしょうか。映画の「BIUTIFUL」の中で、ハビエルバルデム演じる主人公が、自分より若い父親と出会う場所が雪深い森の中なのがすごく印象的で、あれのあの世感もかなりのものだったので、生命感とか、気候とかだけの問題でも無いのでしょう。この世とあの世を繋ぐもの。分けるもの。何なのでしょう。蝶なのか、雪なのか、森なのか。音楽もそうなのかな。あの世でダンスという曲を作ってアルバムに入れたのだけど、それは冬の寒い日に、晴れた空を見ながら煙草吸ってて浮かんだ曲です。煙草なんてのも、ちょっとあの世感のあるアイテムではありますよね。禁煙したんだけど。何か、ちょっと吸いたくなってきたな。